通貨市場 長期的に日本円をオーバーウェイト

日本円は主要通貨の中で依然として価値が最も低い状態にあるが、今後12カ月の間に上昇していく可能性をみている。日本円の大幅上昇のきっかけになり得るいくつかの要因が浮上しつつあるからだ。

15 2 2019
  • 本稿では中長期の投資期間における日本円のオーバーウェイトという新たな投資テーマを紹介する。同テーマは、米ドル/スイス・フラン/人民元バスケットに対する日本円のオーバーウェイトによって実行する。これは長期の投資アイデアであり、為替ポジションもしくは短期の推奨とは異なる。
  • 日本円の価値は急低下しているが、日銀は金融政策の正常化を徐々に進めるとみており、長期的には上昇すると見込む。世界の景気が鈍化しつつも拡大の続くなか、日銀の金融緩和政策の終了が近づいていることから、リスクは長期的には円上昇に傾いていくと考える。
  • 12カ月後にドル/円は足元の111円から105円に低下、スイス・フラン/円は110円から105円に低下、人民元/円は16.3円から15.0円に低下すると予想する。

長期的に日本円をオーバーウェイト

日本円は主要通貨の中で依然として価値が最も低い状態にあるが、今後12カ月の間に上昇していく可能性をみている。日本円の大幅上昇のきっかけになり得るいくつかの要因が浮上しつつあるからだ。米ドル、スイス・フラン、人民元で構成される通貨バスケットに対し日本円の上昇を後押しする要因はいくつかあるとみている。世界の景気サイクルは終盤の局面に入り、景気拡大ペースが鈍化していることから、米ドル高はいずれ終わりを迎えると考える。代わりに、日本円が安全通貨として上昇するとみている。また、日銀の金融緩和政策の終了も視野に入ってくると考える。これらの要因がいつ日本円上昇の引き金を引くのか正確に予想することは難しいが、今後12カ月の間に起きる可能性は十分あるだろう。

我々は12月、日本株式投資について為替ヘッジの解除を勧めた。3~4年の投資期間でみた場合、日本円が上昇する可能性は高く、為替ヘッジを解除することとした。本稿で述べる新たな投資テーマは日本円のヘッジ解除と密接に関連しており、そうした長期にわたる日本円の修正プロセスが始まるタイミングを掴むことを目的とする。

円安、米ドル高の賞味期限

日銀が物価目標2%の達成のために市場ならびに企業マインドを支えることは依然重要である。日銀は1月に、主に石油価格の要因により、2019年度の生鮮食品を除くコアCPI(消費者物価指数)の予想を+1.4%から+0.9%へ大きく下方修正したことから、早期の金融政策正常化の可能性は低下したと考える。しかし、昨年10月以降、黒田総裁は現在の金融政策の下での金融システムの潜在的な脆弱性について繰り返し言及し、超低金利政策による金融機関の収益性と国債市場の機能の低下という副作用を日銀は明らかに懸念していることを示した。




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