新興国通貨 短期的には更に下落する可能性

新興国通貨は貿易戦争を巡る懸念、米国の金融引き締め政策、経済成長への不安に引き続きさらされている。それでも2018年第2四半期の下落を経て、安定化の兆しを示している。ただし、短期的にはさらなる下落する可能性が高い。

19 7 2018
  • 新興国通貨は貿易戦争を巡る懸念、米国の金融引き締め政策、経済成長への不安に引き続きさらされている。それでも2018年第2四半期の下落を経て、安定化の兆しを示している。ただし、短期的にはさらなる下落する可能性が高い。
  • 我々は景気・インフレ動向が良好で、慎重な金融政策をとり、外的要因の影響が限定的な国の通貨を推奨する。こうした観点からの評価が低い国々は特に短期的な後退局面の影響を受けやすい。
  • 新興国に対する主なリスクは、引き続き貿易摩擦の悪化と地政学的緊張の高まり、世界的な金利の急上昇であり、これらは成長見通しと投資家センチメントへの重石になるだろう。

CIOの見解

新興国通貨は総じてここ1カ月間で安定の兆しを見せてきたが、悪化したグローバル環境はまだ改善されない。懸念材料の中には貿易戦争への懸念の高まり、米金融政策の予想よりも早い引き締めペース、そして中国経済の軟化がある。我々は投資家が新興国について再び楽観的になるには、グローバル環境が安定し、国内の経済が活発化することが前提になると考えている。年末にかけてこうした状況が見られると予想するが、短期的には一段と下落する可能性が高いだろう。結果的に、景気・インフレ動向が良好で、慎重な金融政策をとり、国外からの影響が限定的な国の通貨を推奨する。こうした観点からの評価が低いトルコ、ブラジル、南アフリカなどは特に短期的な後退局面の影響を受けやすい。

戦術的なポジショニングでは、引き続きユーロと米ドルの通貨バスケットに対してロシア・ルーブルをオーバーウェイトしている。制裁に対する懸念は払拭されないものの、ロシア・ルーブルは原油価格の上昇、良好な国内情勢、魅力的な金利収入の恩恵を受けると思われる。ポーランド・ズロチのオーバーウェイトは終了する。米国による自動車輸入に対する追加関税の導入が先行きを不透明にし、同ポジションのリスク調整後リターンの重石になる可能性があるからだ。最後に、インド経済の見通しがあまり良好ではないため、インド・ルピーのオーバーウェイトを終了し、代わりにシンガポール・ドルのオーバーウェイトを開始する。シンガポール・ドルは予想されている金融政策の一段の引き締めによる恩恵を受けるだろう。このオーバーウェイトは台湾ドルへのショートポジションで補う。台湾ドルのパフォーマンスは、米中貿易摩擦が激化すればシンガポール・ドルを下回るだろう。




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