新興国通貨 新興国通貨はやや安定するも、下振れリスクは消えず

先般の相場急落以降、一部新興国通貨は落ち着きを取り戻してきた。だが、比較的良好な国内情勢を受けて一部損失を取り戻した高利回りのヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)及び中南米の通貨と、対米ドルで下げ止まらないアジア通貨やユーロとの連動性が高い通貨とでは、明らかに状況が異なる。世界的な流動性の引き締めや米中貿易摩擦など、不安定な世界情勢はいまなお続いている。

26 10 2018
  • Ÿ  これまで大幅に下落していた新興国通貨が、ここ数週間でやや落ち着きを取り戻してきた。しかし、我々は短期的には慎重な姿勢を崩さない。
  • Ÿ  世界的な流動性の引き締めと貿易摩擦の悪化を背景に、新興国通貨は厳しい状況が続くものと予想される。したがって、対米ドルで直接ポジションを取ることは引き続き控えたい。ただし、レラティブ・バリューでは魅力的な投資機会があるとみている。
  • 新興国市場の主な下方リスクとして、世界的な金利急騰、世界的な成長減速、貿易摩擦の悪化、各国固有の押し下げ要因が挙げられる。一方、市場の安心材料となりうるのは、米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの一時休止、中国の景気刺激策、米中貿易協議での合意だ。

CIOの見解

先般の相場急落以降、一部新興国通貨は落ち着きを取り戻してきた。だが、比較的良好な国内情勢を受けて一部損失を取り戻した高利回りのヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)及び中南米の通貨と、対米ドルで下げ止まらないアジア通貨やユーロとの連動性が高い通貨とでは、明らかに状況が異なる。世界的な流動性の引き締めや米中貿易摩擦など、不安定な世界情勢はいまなお続いている。新興国通貨のベンチマーク(JPモルガンELMI+)の過去1カ月のリターンは約1%上昇したが、年初来のトータルリターンは依然として約4%のマイナスだ。

世界経済による逆風に対する新興国市場の対応は、全体としては相場にプラスに働いている。各国の中央銀行はタカ派的なスタンスを強めており、アルゼンチンとトルコ当局は通貨急落への対応策を発表した。中国では景気減速に歯止めをかけるために景気刺激策が取られている。だが、持続的な安心感に必要なのは、米中の貿易交渉の実質的な進展に加え、新興国の国内総生産(GDP)成長率のモメンタム回復であると我々は考えている。しかし、現在のところ、こうした状況が短期的に現実化する気配はない。




資産運用のご相談・お問い合わせはUBS銀行へ

UBSウェルス・マネジメントでは、富裕層のお客様の資産管理・運用を総合的にサポートしております。日本においては、2億円相当額以上の金融資産をお預け入れくださる方を対象とさせていただいております。