通貨市場 円の為替ヘッジを解除

円は長期的に上昇余地が大きく、低金利というマイナス材料を補って余りあるものと考える。日本株式のエクスポージャーにおける為替ヘッジを解除することにより、ポートフォリオのベースカレンシーに対する円の上昇によるプラス・リターンが期待できる。

13 12 2018
  • 円は長期的に上昇余地が大きく、低金利というマイナス材料を補って余りあるものと考える。日本株式のエクスポージャーにおける為替ヘッジを解除することにより、ポートフォリオのベースカレンシーに対する円の上昇によるプラス・リターンが期待できる。
  • CIOハウスビューの通貨ポジションにおいて、豪ドルに対するカナダ・ドルの戦術的なオーバーウェイトを組み入れる。マクロ経済、コモディティ、金融政策の見通しなどを背景に、カナダ・ドルは豪ドルに対して上昇すると予想する。
  • 円の下落リスクに対するヘッジの解除にあわせて、台湾ドルに対する円のオーバーウェイトのポジションを解消する。引き続き台湾ドルは下落するとみているが、日本円/台湾ドルの同ポジションが従来ほどポートフォリオに適さなくなったためである。

日本株式の為替ヘッジを解除

我々は円が長期的に上昇するとみており、その恩恵を受けるために日本株式の為替エクスポージャーのヘッジ解除を勧める。過去数年にわたり、アベノミクスならびに日銀の量的・質的金融緩和政策とイールドカーブ・コントロール政策により円は大きく下落した。こうした政策は通貨価値を一定期間押し下げる可能性があり、実際、円に対してもそうした影響が及んだ。だが、同政策によりインフレ率が急上昇しない限り、下落傾向は長くは続かないと考える。

安倍首相ならびに黒田日銀総裁の就任以降、日本のインフレ率は上昇した。しかし、日米間ならびに日欧間のインフレ格差はほとんど変わっていない。この根強いインフレ格差により円は長期的に魅力度が高まっていると考える。

我々が試算した生産者物価指数に基づく適正水準によれば、足元のドル円スポットレート(直物為替相場)が均衡値となるためには、日本のインフレ率が米国のインフレ率を22年にわたり2%上回る必要がある。しかし過去10年はむしろ米国のインフレ率の方が日本のインフレ率を上回ったことから、ドル円の適正水準が年平均2.3%低下し、スポット・レートとの乖離が拡大し続けてきた。対ユーロの場合、我々の計算によると、15年間、日本のインフレ率が上回る必要があり、スイス・フランの場合は13年間、上回る必要がある。

30年にわたる日本のデフレ/超低インフレと、アベノミクスならびに量的・質的金融緩和/イールドカーブ・コントロール政策の組み合せが重なり、円の価値は大きく下落した。円の価値が回復するには、国内インフレ率の上昇または為替レートの上昇が必要と考えるが、今後起きるのは後者だとみている。




資産運用のご相談・お問い合わせはUBS銀行へ

UBSウェルス・マネジメントでは、富裕層のお客様の資産管理・運用を総合的にサポートしております。日本においては、2億円相当額以上の金融資産をお預け入れくださる方を対象とさせていただいております。