CIO Reaction 米国とメキシコ、NAFTA再交渉で大筋合意

トランプ米大統領とメキシコのペニャニエト大統領は27日、24年前に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で両国が大筋合意したと発表した。今後、最終的な合意と締結を図る。交渉に進展が見られたのは、製造(特に自動車メーカーの原産地規則)、農業、知的財産などの分野だ。

27 8 2018

トランプ米大統領とメキシコのペニャニエト大統領は本日、24年前に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で両国が大筋合意したと発表した。今後、最終的な合意と締結を図る。交渉に進展が見られたのは、製造(特に自動車メーカーの原産地規則)、農業、知的財産などの分野だ。トランプ大統領は、NAFTAという名称に代えて、より前向きな意味を含んだ「米メキシコ通商協定(USMTA)」と呼ぶ可能性も示唆した。

カナダとはまだ合意に至っていない。同国の通商交渉担当者は、当レポートの執筆時点ではワシントンに向かっている途中だ。トランプ大統領はカナダ抜きのメキシコとの二国間協定の可能性もあると述べたが、ペニャニエト大統領は、新協定にカナダが参加することを望むと強調した。

本日の進展はNAFTAの見直しと近代化に向けた正しい方向への第一歩となる。最終合意への道筋は引き続き険しい。カナダが交渉に参加すれば、いくつかの複雑な問題を解決する必要が生じる。中でも重要なのは、紛争解決のメカニズム、政府調達、農業に関する問題だ。また最終合意に至っても各国の議会から承認を得る必要がある。正確な時期は不明だが、我々は米国、メキシコ、カナダが最終的に三カ国間で協定を締結し、トランプ大統領が示唆したNAFTA離脱によって生じたであろう深刻な事態は回避されると予想する。

NAFTA再交渉に関する最近の報道は、グローバル株式、特にメキシコ資産にプラスの影響を及ぼしてきた。協定締結についてさらに詳細が明らかになれば、ごく短期的にメキシコ資産は下支えされるだろう。だが、我々は大きな動きが持続するとは見ておらず、よって、新興国市場の資産配分ではメキシコ資産のニュートラルを継続する。市場はほどなく、ロペスオブラドール次期大統領のポピュリスト的な政策と選挙公約の実現に注目し始めるだろう。また、通商協定締結の発表自体が、新興国市場全般に対する投資家センチメントを急激に変えることはないと考えている。

より重要な点として、NAFTAに関する楽観的な見方が米中関係にまで伝播することを我々は警戒している。トランプ政権の戦略文書は、中国に関する最近の懸念が通商問題という狭い範囲を超えていることを示し、その解消が容易ではないことを示唆している。我々は最近、グローバル株式のオーバーウェイトポジションの規模を縮小し、グローバル戦術的資産配分の全体的なスタンスをおおむねニュートラルに変更した。こうしたリスク縮小は主に、市場が米中関税問題のリスクの高まりを織り込んでいないと考えたためである。ここ数日、米中間の交渉はほとんど進展していない。米国は2,000億米ドル相当の中国製品に対して10-25%の関税を課す方針を変えておらず、追加関税の導入もちらつかせている。

我々は、米中の緊張状態が中期的に継続すると予想するが、短期的に緊張が緩和する可能性も排除できない。今後数カ月は、通商リスクの緩和またはバリュエーションの改善によって、グローバル株式のリスク調整後リターンが上昇する可能性がある。こうした要素が確認され、他のすべての条件が等しい場合、我々はグローバル株式のオーバーウェイト幅を拡大する。しかしながら、米中通商交渉の先行き不透明感と現在の市場のバリュエーションを考慮して、投資家にはリスク資産に対しておおむねニュートラルなポジションを維持することを推奨する。




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