CIO Reaction 相場急落はグロース株が牽引

米国株式は12日に急落し、S&P500種株価指数は2.0%下落して取引を終えた。債券市場はベテランズ・デーの振替休日のため休場だった。投資家は過去6週間にわたる市場の混乱の背後にある懸念を引き続き重視している(企業利益拡大の持続性、世界経済成長の見通し、貿易摩擦、金利上昇の影響に対する懸念)。これらの懸念の一部に関するデータが徐々に増えてきたことが、今回の株価下落を引き起こした一因と考えられる。

12 11 2018

米国株式は12日に急落し、S&P500種株価指数は2.0%下落して取引を終えた。債券市場はベテランズ・デーの振替休日のため休場だった。投資家は過去6週間にわたる市場の混乱の背後にある懸念を引き続き重視している(企業利益拡大の持続性、世界経済成長の見通し、貿易摩擦、金利上昇の影響に対する懸念)。これらの懸念の一部に関するデータが徐々に増えてきたことが、今回の株価下落を引き起こした一因と考えられる。

  • 企業業績では、米アップルへ部品を供給する企業1社が、需要が予想を下回ったことを理由に四半期見通しを引き下げた。投資家はこのことが、アップルのスマートフォンの出荷台数減少を意味すると解釈した。これがハイテク株(12日は3.5%安)と広範なグロース株の売りを招いた。この結果、今四半期においてグロース株はバリュー株を5.5%下回っている。
  • 貿易にも再び注目が集まっている。ホワイトハウスが輸入自動車への追加関税導入に関する報告書草案を配布していると報道されている。
  • さらに、イタリアの欧州連合(EU)への予算案再提出期限が迫り、英国のEU離脱の条件を巡る先行き不透明感が払拭されない中、投資家は欧州政治にも懸念を抱いている。よって、米ドルは12日に1%近く上昇した。

株式相場は今回下落したものの、我々は株式市場の強気相場は続いていると考えている。企業は引き続き有利な条件で資金調達が可能で、インフレ率は問題になる水準ではなく、株の割安感はさらに高まっている。米国経済の先行指標からは、近い将来にリセッション(景気後退)入りするリスクが極めて低いこと、企業利益の拡大は減速するものの継続する見込みであることが確認できる。スマートフォンの出荷台数がやや落ち込む可能性はあるが、全般的にハイテクセクターのファンダメンタルズは、堅調な企業支出のほか、クラウドコンピューティングとインターネット関連サービスの長期的な成長に支えられて健全である。

我々は、9月末から10月末にかけてS&P500種が9.9%下落した後、相場はそろそろ底打ちするとみている。強気相場での調整局面は、買いの好機と考えられるが、底打ちのタイミングを正確に見極めることは非常に難しい。さらにS&P500種の実績株価収益率(PER)が1月末の21倍から現在の17倍までおよそ20%下落したことは、投資家がかなり慎重になってきていることを示している。1980年以降では、バリュエーションがこのように急激に縮小している時は、市場が過度にリスクを恐れていることを示しており、株式のパフォーマンスはその後回復する傾向にある。

現在投資家センチメントの重石になっている懸念のどれもが米国のリセッションを引き起こしたり、強気相場を終わらせたりすることはないと、我々はみている。ボラティリティ(相場の変動)の高い状態が続く可能性は高いものの、リスク調整後リターンの観点から株式市場は魅力的だと考える。よって、我々は戦術的資産配分において、グローバル株式をオーバーウェイトとする。




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