CIO Reaction テクニカル主導で相場続落

株価の下落は今日も続いた。S&P500 種株価指数とダウ工業株 30 種平均はともに 2%超下落し、S&P500種の 6 日間の下落幅は 6.75%となった。企業収益に関する目立ったニュースがない中で連日の続落となった。重要な経済指標である 9 月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、一時的に株式先物を押し上げていた米国金利の上昇を抑制した。

11 10 2018

株価の下落は今日も続いた。S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均はともに2%超下落し、S&P500種の6日間の下落幅は6.75%となった。企業収益に関する目立ったニュースがない中で連日の続落となった。重要な経済指標である9月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、一時的に株式先物を押し上げていた米国金利の上昇を抑制した。

従って、昨日と同様に、金利上昇と関税引き上げによる影響や世界成長減速の可能性など、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)要因に関する懸念が引き続き市場の重石となっているが、今日の相場変動の激しさはテクニカル主導の売りと捉えられる。2月初旬の調整局面と同様に、一定のリスク水準に目標を定めているヘッジファンドによる株の強制売却が、ファンダメンタルズ懸念が引き金となった株価下落に拍車をかけた。そのため、この状況が落ち着き、ファンダメンタルズに基づく買いが戻るまでは、市場は安定しないかもしれない。

市場の安定化に重要なもう1つの要素は、12日の大手銀行を皮切りとする第3四半期決算発表シーズン中に発表される企業ガイダンス(利益予想)だ。我々は、金利上昇やグローバル経済に見られる一部地域の軟調、貿易摩擦の激化にもかかわらず、米国企業からは依然として良好な収益成長見通しが示されると予想しており、これによって市場は意外に早く安定すると見込んでいる。ただし、我々は、貿易、中国、イタリア、米中間選挙等に関するリスクが顕在化する、または高まる可能性があることも認識している。

ここ2週間でファンダメンタルズの見通しは目立って変化しなかったが、米国株式のバリュエーションは改善した。我々の2019年の収益予想に基づくS&P500種の予想株価収益率(PER)は16.25であり、株価下落が始まってから約1ポイント下がった。これは12カ月先予想PERの長期平均16をわずかに上回る数字である。

米国経済のファンダメンタルズが良好であること、今後12カ月で景気後退局面に入る可能性が極めて低いことに加えて、株価バリュエーションも割高ではなくなっていることから、強気相場は依然として続いており、株式のリスク調整後リターンはむしろ魅力が高まっているとみている。よって、グローバル株式の小幅のオーバーウェイトを維持する。

しかし、これまでのレポートで指摘してきたとおり、景気サイクルが成熟するにつれ、市場の変動が高まり相場が下落する局面が増える可能性が高く、今回の下落局面もまだ終わってはいないかもしれない。




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