UBS Perspectives 日本版 2011年 秋号 vol.9

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こころの資産としてのアート 才能への投資としてのコレクション

世界的に著名な現代アートから新進気鋭のアーティストの作品まで、35,000点を超えるコレクションを収集する<UBS Art Collection>。UBSの前身である旧UBSやペインウェバー社などの合併・買収先のコレクションを統合・再編し、2003年に新たな形でスタート。以来、世界有数の美術館で展覧会を開催し、最も価値ある現代アートの企業コレクションのひとつとして、その評価は揺るぎないものになっている。「なぜ、金融機関がアートコレクションを所有するのか?」ーその意義と哲学をUBS所属のキュレーター、ステファン・マックーブリー氏が語った。

Stephen McCoubrey(ステファン・マックーブリー)

UBSのロンドンオフィス勤務。 1999年からUBSアートコレクションのキュレーターを務める。 作品の管理から新たに購入する作品の選択まで、その仕事は幅広い。さらに、スイスとアメリカ以外のUBSオフィスを担当し、「どのようなコンセプトでどの作品を飾るのか」という判断を行っている。

Yasumasa Morimura/森村泰昌
Angels Descending Staircase 1991 Colour photograph mounted on board Copyright the artist Courtesy ShugoArts

アートコレクションはUBSの企業文化活動の一貫

UBSアートコレクションは、それまで世界各地で保有していた膨大な作品をひとつに束ね、2003年に創始された。マックーブリー氏はコレクションの哲学をこう述べる。「私たちはアートを人目のつかない場所にしまいこんだりはしません。収集した作品は世界中のUBSのオフィスに飾られ、定期的に入れ替えられます。世界50ヶ国に点在する拠点をアートで満たすためには数多くの作品が必要です」。企業のアートコレクションはともすれば、投資的側面が話題になることが多い。しかし、UBSは投資のためにアートを保有するのではなく、コレクションを文化活動の一貫として捉えている。「アートは社員やお客様、取引先などUBSを訪れる様々な人々の想像力をかきたて、目をなごませています。ある作品をきっかけに会話が弾むこともあるでしょう。アートは私たちの共通語であり、こころの資産なのです」。収集作品は絵画、写真、線画、ビデオなど1960年代以降の現代アートが中心だ。「現代アートの解釈はさまざまですが、私たちは"過去50年間に生まれた作品"と定義づけています。ここ5-6年は21世紀に入ってから生まれた作品の収集にフォーカスしています。私たちが生きているのはまさに『現代』です。次代を先見し、時代をイノベーションした現代アートは『今』と『未来』を考える上で深い洞察を与えてくれるのです」

Hiroshi Sugimoto/杉本博司
Peter Stuyvesant
2000
Photograph
(c) Hiroshi Sugimoto

アイデアが明快な日本人作家のコンセプチュアル・アート

UBSアートコレクションには、あらゆる国籍のアーティストの作品が収集されている。日本人の作品も数多い。「生きているようにしか見えない蝋人形を撮影した杉本博司氏の作品は、写真というメディアが果たして真実だけを写すものなのかということを考えさせます。森村泰昌氏はセルフポートレートの概念を大胆に変えました。自らがレンブラントやダビンチなど名画や写真の登場人物になりきり、ビジュアルの構成や背景、色調に至るまで再現するのです。じっと見つめれば、ゴッホの自画像もアインシュタインのポートレートも全て森村氏であることに気付きます。実にユニークですね。小沢剛氏の代表作『ベジタブル・ウェポン』は、女性が野菜でできた武器を持つポートレート写真のシリーズです。世界各地でその土地の野菜で銃をつくり、撮影後は銃を解体してみんなで料理にして食べる。そのプロセスを含めて作品となっています。日本人アーティストはコンセプトが非常に明確ですね」。現在、マックーブリー氏はUBS銀行東京支店(新丸の内ビルディング)のオフィスを日本人アーティストの写真作品だけでレイアウトするプランを進めている。

Tsuyoshi Ozawa/小沢剛
Vegetable Weapon: Tomato hot pot/ Taipei
2005
Photograph
Copyright the artist

若手アーティストの発掘と育成に力を注ぐ

UBSのアートへの関わりは、単に作品の収集にとどまらない。美術界の一員として若い才能の支援にも力を注いでいる。「アーティストが成功するためには、商業的側面とアカデミックな側面の両方のつながりが必要です。国際的なネットワークを持つ優れた美術商とコネクションを持つこと。そして、学術的には美術館や美術界の大家に評価されること。逆説的に言えば、こうした機会に恵まれず、埋もれてしまう才能もあるのです。それは、世界の文化にとって喪失です。UBSは時にスポンサーとなり、また、若手の育成と発掘のために育成プログラムを行うなどフィランソロピー的な役割を果たしています。私たちはアートの購入をバランスシート上の投資と見なしていません。投資という表現をするならば、未知の才能への投資なのです」。では、マックーブリー氏は現在のアートシーンのトレンドをどう見るのだろうか。「2006年、2007年頃は新人作家の作品をコレクターが競って収集する風潮がありました。現在では中堅以上のキャリアを持ちながら、ともすれば作品とその評価が乖離していたアーティスト、見過ごされてきた作家の発掘にトレンドが移っています。たとえば、世界的に草間彌生氏の再評価熱が高まっているように。アートにはこのように『見つけ出す楽しみ』もあるのです。ひとつでいい、好きな作品を見つけられれば、あなたの人生は豊かなものになるでしょう」

Masahito Koshinaka / 越中正人
double word #13
2008
Photograph (写真・C-プリント)
nca | nichido contemporary art / 日動コンテンポラリーアート

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