UBS Perspectives 日本版 2011年 秋号 vol.9

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「忘れものを取りに行く」

F1™への再挑戦を目指して-中嶋一貴

モータースポーツの最高峰、Formula1™。正確を期せば、現在その舞台に立っていない中嶋一貴は"元"F1パイロットだ。しかし、彼をそう呼ぶのは相応しくない。F1のシートに戻ることだけでなく、その先にある表彰台、そして「日本人初のF1勝利」という目標を見据え、不屈の26歳は今なお進化の過程にあるのだ。

中嶋一貴 選手(なかじま かずき)

1985年1月生まれ。カートレースを経て、ホンダ系のドライバーだった父・悟氏の影響のないフォーミュラトヨタレーシングスクール(FTRS)でスカラシップを獲得。気骨あるスタートを切る。 全日本F3選手権、SUPER GT、F3ユーロでキャリアを重ね、2007年にはF1直下のカテゴリーであるGP2を戦いながら、F1ウィリアムズの第3ドライバーに。 2008-2009年シーズンにはフル参戦を果たした。

2008シーズンーフル参戦1年目で鮮烈な活躍

「F1はピラミッドの頂点にたとえられます。レーシングドライバーはカートレースからF3、GP2という上位カテゴリーに進む過程でヨーロッパや世界中でふるいにかけられ、本当に速い者だけが生き残る世界です。エンジン開発や空力などのマシン設計、ハイテク制御などのテクノロジーも飛び抜けています。他のカテゴリーのマシンよりもサーキットでは周回が10秒以上速いでしょう。実際に走ると、コーナーで感じる遠心力、制動や加速でのGも圧倒的です」。10歳でカートを始め、2007年、22歳にして父・悟氏に続き、F1という最高峰の舞台に上り詰めた中嶋一貴選手。翌2008年、レギュラードライバーとしてウィリアムズからF1にフル参戦すると、初戦の6位入賞を皮切りにトータル9ポイントを獲得する鮮烈な活躍を見せた。しかし、フル参戦2年目は一転苦闘のシーズンとなる。4位を走行し、日本人3人目の表彰台が期待されたシーンもあったが、結局ノーポイントでシーズンを終えてしまうのだ。「自分の中では成長曲線を維持できていましたが、ピットトラブルやミスなど、全てが少しずつ欠けた感じですね。手応えと成績が一致しない1年でした」。結果が全ての世界。中嶋選手は2010年のウィリアムズのシートを失ってしまう。その後、F1への新規参入を目指したセルビアのステファンGPでの参戦が確実視されたがチームの参入自体が実現せず、昨年はブランクを余儀なくされた。

"世界を知る男"が決断した日本でのチャレンジ

「F1を走っている時は自分のことで精一杯でした。"浪人生活"はレース全体を外から見る良い機会になりましたね」。心肺機能や体幹を鍛えるトレーニングを続けながら、中嶋選手はF1復帰の可能性を模索した。「シートを得るために必要なのは、チャンスが来た時に良い状態にあること。1シーズン走らなかったことで今季の復帰は叶いませんでしたが、"プランB"がフォーミュラ・ニッポンへの参戦でした」。フォーミュラ・ニッポンはフォーミュラ・カーで争う日本最高峰のレースだ。「ル・マンやインディ、DTMなどレベルの高いレースもありますが、フォーミュラ・ニッポンはF1以外で世界一速いレースです。目標がF1復帰である以上、それに近い環境で闘い、チャンスを待とうと思ったのです」。F1にフル参戦したドライバーが下部カテゴリーを走ることに奇異の視線を交えた注目が集まった。"中嶋は結果を残せるのだろうか?もし残せなかったら?"他のドライバーにとっても『世界を知る中嶋』は自らの名を売るために格好のターゲットだ。「リスクはありましたが、自分がやってきたことへの自信がありました。プレッシャーは感じませんでしたね」。初戦はまさかの予選14位スタート。しかし決勝では3位となり、久しぶりの表彰台に立つ。迎えた2戦目、またしても予選で13位と出遅れながら圧巻の追い上げを見せ、優勝を果たす。その後の3戦も全てで表彰台に立ち、現在、ドライバーズランキング2位につけている。

レースはチームで走り、チームで勝利を目指すもの。

実際のレースではどのように戦略を立てるのだろうか。「ドライバーとエンジニア、データエンジニアという3人でチームをつくり、F1ではそこにチーフエンジニアをはじめ、専門スタッフが多く加わります。プラクティス走行でマシンのセッティングを煮詰めたり、給油のあるレースではそのタイミングなど、レースの展開を読みながらルールの中で他のチームの裏をかいていきます。そして路面コンディションの変化、タイヤや燃料の残量など、状況の変化を判断しながら戦略を遂行していきます」。UBSもまた、クライアント・アドバイザーがお客様の専任担当者となり、内外のエキスパートと協働しながら資産面でのゴールへと向かう。"チーム"というキーワードはモータースポーツとUBSウェルス・マネジメントの共通項だ。「クルマは物理で動きます。現在ではあらゆるデータが数値化されます。たとえば積載燃料が5kgと50kgでは、どれだけタイムが変わるのか、データエンジニアは正確にシミュレーションできるのです。ところが、たとえばフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は必ずその予測以上のタイムを出す。そうなると、チームはドライバーをより信頼し、応えようとしてくれます。ミハエル・シューマッハ(メルセデス)もこうしたチームの"盛り上げ方"が上手でした。自分自身の能力を超えた力がチームなら出せるのです」。チームとしての総合力を結集し、高いパフォーマンスを生み出す。UBSも、こうしてお客様の目標達成に一丸となっていくのだ。フォーミュラ・ニッポンの最終戦(11/5・6日 ツインリンクもてぎ)では、タイトル獲得がかかる中嶋選手。この先の、そして、次の目標は何だろうか。「長期的にはモータースポーツの素晴らしさを一人でも多くの方に伝えるために何らかの役割を果たしていくことですね。短期的にはやはりF1への復帰です。過去の参戦に関してはベストを尽くし、悔いはありません。でも、『もっとできた』という気持ちもあります。やり残したこと、忘れものがある感じですね」。親子二代のF1ドライバーという側面にばかり、スポットがあてられた時期もあった。しかし、「注目されるのも父がいたから」と笑顔を見せる中嶋選手。彼が取りに行こうとする忘れものー「F1を走る以上、まず父の最高成績である4位を超える表彰台がターゲットになります。そして、最大の目標は日本人初の優勝でしょう。走る立場でも、F1は凄いドライバーが揃っているのが魅力です。あの場所に戻り、高い目標にチャレンジしていきたいですね」

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